2017/05/17
ビジネス戦略

1人情シスも支援する手厚いサービス デルのサポート力をパートナーフォーラムから探る

直販のイメージが強いデルだが、8年ほど前から販売パートナーとの関係強化を行っている。そのデルが今、注力しているのが販売パートナーと共同で顧客に提供するサービスの強化だ。核となるのはサポートサービス。デルが直接顧客に提供してきた質の高いサポートは情報システム担当者にも好評で、それが今のデルの顧客獲得にもつながっている。今回、デルが販売パートナーに提供するサービスを紹介するフォーラム「デル サービスフォーラム」を取材。デルのサポート力を探るとともに、フォーラムを担当するサービスビジネス営業統括本部の高橋歩統括本部長に取り組みについて聞いた。(取材・文:三好裕紀)

デル サービスフォーラムの様子

デル サービスフォーラムの様子

パートナーが同じサービスを提供できる環境を整備

顧客第一主義を掲げるデルが重要視しているのがサービス・サポート分野だ。一見すると単なるコスト増につながりかねないサポートの充実。しかし、デルでは「サポートのよさこそが次の販売につながる」と位置付けている。

この考えから、パートナービジネスの強化と合わせ、販売パートナーがデルと同じサービスを提供できるように、さまざまなサポートサービスを提供している。そのラインナップをパートナーに紹介するフォーラムが「デル サービスフォーラム」だ。

ここではデルの顧客向けサービスと、その活用法について説明。サポートサービスでは「ベーシック」「プロサポート」「プロサポートプラス」「プロサポートフレックス」の4つが紹介されていた。

450名の国内法人サポート体制を構築

一方で、デルのサポート力を支える原動力となっているのがサポートセンターだ。現在は国内向けサポート体制で、宮崎、川崎、中国・大連と3つのカスタマーセンター、グローバルコマンドセンター(GCC)を運営している。

法人ユーザーは、宮崎に350名、川崎に100名のエンジニアが詰めるカスタマーセンターで対応。24時間365日の電話対応を行っている。また、個人ユーザーは大連のサポートセンターが対応する。

広々としたスペースを持つ宮崎のカスタマーセンター

広々としたスペースを持つ宮崎のカスタマーセンター

GCCは、本社のある川崎と同じビルにある。デルの保守サービスは、最短で当日4時間以内のオンサイト(現地)での保守対応をうたっている。GCCの役目は、そのサービスレベルが維持できるよう、日本国内の保守サービス全ての状況を24時間365日監視し、適切な対応・現場への指示を出すことだ。

グローバルコマンドセンター(GCC)

グローバルコマンドセンター(GCC)

フロアの壁面にはモニターは常にGCCが管理している保守サービスの状況が表示され、今どこで、どのお客様に対して、どんなサービスの状況にあるかを常に把握することができる。

保守部品の手配、発送、エンジニアの手配、派遣、サービスの開始から完了までは、それぞれ基準時間が決められており、その時間を超えた時点でアラート(警告)がモニターに表示される。警告が出た場合にはGCCの担当者が速やかに顧客に対応を行う。

こうして、顧客のシステムのダウンタイム(停止時間)と、ビジネス損失を最小限にとどめる。特に天災など、サービス品質を維持できない事態の可能性が高まった時には、いかに素早く適切な対応ができるかに知恵を絞っている。デルによると、GCCと同様の施設は全世界に5か所あるが、1つの国だけを対象としているのは日本だけという。これは他社にはないサポートの手厚さを象徴している。

GCCの壁面モニター。左側は現在サポートを行っている顧客の所在地、右側にはサービスの状況を表示。基準時間を超えると画面上部のアラートエリアに表示が出る

GCCの壁面モニター。左側は現在サポートを行っている顧客の所在地、右側にはサービスの状況を表示。基準時間を超えると画面上部のアラートエリアに表示が出る

パートナー、顧客、デルにメリットあるビジネスを目指す

デルでは、サポート以外にも同社のBTOのノウハウを生かし、工場でソフトウエアのインストールやラベルの貼り付けなどを行うコンフィグレーションサービス、使用期間が終了した後のPCのリサイクルや廃棄を行うサービスなどを提供している。いずれもSIerや顧客の情報システム担当者の業務負担の軽減を狙ったものだ。

製品のみならずサービスでも顧客をサポートする姿勢が、今のデルの強みといえる。さらに、デルのサービスを販売パートナーが自身のサービスとして活用できる仕組みも整えた。こうした取り組みこそが、パートナー、顧客、デルの三者にとってメリットのあるビジネスにつながると、デルでは見ている。


「サポート力の高さこそが再販率の高さにつながる」 高橋歩統括本部長インタビュー

顧客のみならず販売パートナーに対しても充実したサポートサービスを提供するデル。その狙いはどこにあるのか。主にエンタープライズ、中堅ユーザー向けビジネスを担当する高橋歩・サービスビジネス営業統括本部 統括本部長にデルのサポートへの取り組みについて聞いた。

高橋歩・デル サービスビジネス営業統括本部 統括本部長

高橋歩・デル サービスビジネス営業統括本部 統括本部長

お客様第一主義を貫く、創業者マイケル・デルのポリシー

――フォーラムの説明ではかなり手厚いサポート体制を敷いている印象を受けた。

これまで、デルといえば「直販で導入コストは安いが、サポート面は今一つ」というイメージが強かったと思う。しかし実際には、ここまでやるかというぐらいしっかりしたサポート体制を持っている。代表の平手(智行・社長)も、「極論をいえば、赤字になってでもサポートをしっかりやれ」というぐらいサポートは重視している。これは、創業者で会長のマイケル・デルのポリシー(方針)でもある。マイケル・デルが2013年に上場していた株式を全て買い戻して非公開企業にしたのも、株主の意見に左右されず、常にお客様第一主義を貫くためだ。

――カスタマーセンターを宮崎に開設した理由は?

全国を調査した結果、2つの点で宮崎がふさわしいという結論に達した。

1つは県民性。日本はおもてなしの国といわれているが、宮崎の人たちは、特におもてなしの心が強いという結果があった。2つめは建物の条件。サポートセンターはいろいろな技術者が広いフロアで一堂に会するほうが、コミュニケーションが取りやすく、効率的だ。宮崎市内にデパートが入っていたビルがあり、理想的な物件ということで決定した。

宮崎にはエンタープライズとクライアント製品を担当する350名の技術者、150名の営業部隊も入り、主に西日本エリアの営業を担当している。ここ川崎でもエンタープライズ製品を担当する100名の技術者が在籍しており、宮崎と分担して法人顧客のサポートを行っている。

コンシューマー(個人)のサポートは大連のカスタマーセンターで行っている。開設当初は日本語の対応力が弱く、お客様に迷惑をおかけしたが、現在は4段階の日本試験をパスした技術者のみがサポートを担当しており、日本人のサポートと変わらないレベルを確保している。

1人情シスの支援も充実させていく

――サポートでは情シスへの対応、中でも「1人情シス」が重要になると思うが?

当社がコマーシャル層と呼んでいる100~1000名未満の企業で、いわゆる「1人情シス」や兼任担当者の割合もあわせて20%を超える状況にあることを把握している。その中で、例えば当社の標準サポートサービスであるプロサポートは、保守や障害発生時の対応など、1人情シスがいる企業にとって強力なバックアップになると考えている。実際8割のお客様がプロサポートを導入してもらっており、費用面でも、他社と比較して安いという評判ももらっている。

費用面でいえば、サポート費用が機器購入費用に含められるため「予算化しやすい」という面もあると考えている。また、クライアント製品の導入やラベルの貼り付け、カスタマイズなどを行うサービスなど、情報システム担当者の業務負荷を軽減するサービスも提供している。

――PC市場は飽和状態ともいわれている。

そういう見方があることも知ってはいるが、一方で最近話題になっている「働き方改革」の動きは、追い風と感じている。今までビジネス用のPCといえばデスクトップだったが、フリーアドレスなどが導入されてノート型のニーズが高まった。今は、モバイルや在宅ワークの広がりで、モバイルPCや2in1型などのニーズが高まっている。デルでは広がる用途にあわせてラインナップを増やし、あらゆるニーズに応えることで、シェアはまだまだ拡大できると考えている。

デルは販売したらサポートもしっかり行う。サポートをしっかり行うと再販率も上がることを経験で知っているからだ。PCのライフサイクルは4~5年ほどだが、その時にまたデルを選んでいただけるよう努力を続けるというのが我々の考えだ。

ジョーシス編集部

「情シスライフをもっと楽しく!もっと幸せに!」をコンセプトに「情報システム部門=情シス」で働く人たちの生活全般を応援するユニークな記事やコラム、ニュースを発信する情報サイトです。

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