2016/03/04
業務改善

情シスリーダーのための時間管理術5 「予定外の仕事」にイライラさせられないために

時計のイメージ画像

時間管理というと「細かくスケジュールを立てて、スケジュール通りに行動すること」をイメージする人も多いと思います。しかし、そんな時間管理はうまくいきません。仕事には「予定外」のことがつきものだからです。

「分刻みのスケジュール」ではうまくいかない

「時間管理」とは、文字通り解釈すれば「時間」を「管理」することを指します。そのため、時間を細かく刻むこと、つまり、細かくスケジュールを立てることが時間管理だと思っている人もまだまだ多いです。でも、そんな時間管理は現実的ではありません。

ちょっと考えてみてください。アポイントメントだけでなく、デスクワークなどのタスクもすべて分刻みのスケジュールで計画して、そのスケジュールにそって行動しようとしたら、どうなるでしょうか?

現実には、絶対にスケジュール通りにはいきませんよね。私たちの仕事には予定外の要素がたくさんあります。問い合わせの電話がかかってくる、突発的なトラブルが起きて対応に追われる、上司に話しかけられる、部下から相談される……など、短時間のものから時間がかかるものまで、いろいろな「予定外の仕事」がやってきて、そのたびにスケジュールが崩れていきます。これでは、スケジュール通りに行動しようとすればするほどうまくいかなくなりますし、ストレスもたまってしまいます。そんな時間管理なんて嫌ですよね。

第1回でも紹介しましたが、私たちの仕事は3タイプに分けることができます。1つは時刻が決まっている仕事の「アポイントメント」、2つめは時刻が決まっていない「タスク」、3つめが「予定外の仕事」です。この「予定外の仕事」がくせものなのです。

「予定外の仕事」はアポイントメントやタスクとは違い、事前に予定しておくことができない仕事です。問い合わせに対応したり、部下からの相談を受けたり、急なトラブルに対応したりするなど、その場その場で対処しなければいけません。スケジュール通り行動しようとしてうまくいかないのは、この「予定外の仕事」があるからです。しかも、第1回で紹介したように「予定外の仕事」は意外に多いのです。

「仕事が思うように進まない」というイライラ

「予定外の仕事」は「仕事が思うように進まない」という状況を生み出します。「今日は○○の報告書を作ろう」と思って仕事に取りかかったのに、問い合わせが入る、急なトラブルが起こる、上司から質問される、部下から相談される……、その結果、「仕事が思うように進まない」とイライラしてしまったり、「明日の資料が間に合わない」と長時間残業することになったり……。そんな経験のある方も多いと思います。

実は、私も以前は「仕事が思うように進まない」とイライラしてしまうことがよくありました。「なんで今日に限って予定外のことが多いんだ」とうらめしく思ったことも多いです。当時は「予定外の仕事があるからいけないんだ」と思っていましたが、いま考えればこれは正しい認識とはいえません。

自分の行動を記録してみるとよくわかりますが、私たちは毎日「予定外の仕事」に確実に時間を取られています。少ない人でも労働時間の2割前後、リーダーの立場にある人だと3割前後くらいが普通です。平均でこれぐらいですから、もっと時間を取られてしまう日もあるということです。

しかし、以前の私はその自覚がありませんでした。「予定外の仕事」が少ない前提で考えてしまい、「明日やれば間に合う」のようにギリギリの計画で行動することが多かったのです。ギリギリなだけに「思うように進まない」ときの焦りやイライラも大きくなりがちでした。でも、本当は「思うように進む」ことの方が少ないのが現実であり、その前提で計画する必要があったのです。

実際、「予定外の仕事は必ずある」という前提で考えるようになってからは、「予定外の仕事」が入っても大丈夫なだけの余裕を持つようになりました。それぞれのタスクを期限ギリギリではなく、少し早めの実行日にやるよう計画するようになったのです。これは「タイミング」としての余裕を持つ感じです。また、「予定外の仕事」がある前提で、1日におこなうタスクの量を考えるようにもなりました。こちらは「仕事量」としての余裕を持つということです。

このように現実に合った計画を立てることで、「思うように進まない」とイライラすることは格段に少なくなりました。結局、「仕事が思うように進まない」というイライラの一番の原因は「予定外の仕事が発生すること」というよりも、「予定外の仕事がない前提で計画していること」だったのです。

時間管理では自分の行動を計画、実行することが必要ですが、実現できない計画を立ててもストレスがたまるばかり。だからといって計画を立てることを放棄してしまっては何の進歩もありません。「予定外の仕事は必ずある」という前提で計画を立てるのが正解だったのです。

「予定外の仕事」を減らすには?

このように「予定外の仕事」には自分の計画を崩すやっかいな面がありますが、これも自分の仕事の一部。計画をうまく立てた上で、状況に応じて柔軟に対応していくしかありません。

とはいえ、減らせるものなら「予定外の仕事」は減らしたいものです。機会があれば「予定外の仕事を減らす」という観点で自分の仕事を見直してみるのもいいと思います。

「予定外の仕事」のひとつにトラブル対応があります。トラブル対応を減らすには、当り前ですがトラブルを未然に防ぐのが第一です。たとえば、一度起こったトラブルの再発防止策を取るだけでも効果はあります。再発防止を徹底しようとすると、それなりに時間を取られますが、長期的に見れば「予定外の仕事」を減らすことにつながります。

また、「問い合わせ」に時間を取られているという声もよく聞きます。思い当たる人は問い合わせを減らすことを検討してみてはいかがでしょうか。たとえば、自分が握っている情報を共有、公開することで無くせる問い合わせがあるかもしれません。

ちょっとこの写真を見てみてください。これはある繁華街にある駐車場の看板ですが、問い合わせを減らすための工夫がされています。わかりますか?

駐車場の画像

そうです。看板に「満車」と表示できるようにしてありますね。これがあるだけで問い合わせの電話は確実に減っているはずです。単純ですが有効な工夫だと思います。自分の仕事でも問い合わせを減らせる工夫ができないか、検討してみるといいかもしれませんね。

水口 和彦(みずぐち・かずひこ)

大阪大学大学院修士課程修了。住友電気工業株式会社でエンジニアとして勤務するなかで時間管理を研究し、残業を大幅に削減。その経験を活かし2006 年に独立。数少ない「時間管理(タイムマネジメント)専門講師」として、数多くの企業や自治体、教育機関などで研修や指導を行い、早稲田大学エクステンションセンターの講師も務める。『部下を持つ人の時間術』(実務教育出版)など時間管理に関する著書多数。「まぐまぐ」よりメールマガジンを毎週配信中。http://www.mag2.com/m/0000190033.html


所属:有限会社ビズアーク/時間管理術研究所
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